電動ろくろのコツが詰まったDVD教材の販売サイト。TVチャンピオン《優勝》の陶芸王・森裕紀氏が教えます。

電動ロクロの基礎とは?

電動ロクロの基礎とは?

「陶芸の基礎」と言った場合、私には「ロクロ作りの基礎」とほとんど同じ意味になります。
ロクロを挽く人にとって、陶芸とはほぼロクロのことだからです。

ロクロの基礎

では「ロクロの基礎」とは何なのでしょう。

あなたは次のような悩みを抱えていないでしょうか?

  [check] 土がもめない。菊練りが出来ない。

  [check] 土が殺せない。(土殺しができない。)

  [check] 思い通りの形にできない。

  [check] 土が伸びない。土を上に引き上げられない。

  [check] 小さいものしか作れない。

  [check] 形がきれいでない。ゆがむ。ひずむ。

  [check] ロクロ上で作品が振れる。

  [check] ヘラなどの道具の使い方が分からない。

  [check] 角底湯呑を作っても中は丸くなってしまう。

  [check] 削りが苦手。(中心が取れない。薄く削れない。)

  [check] 作品が重い。底が分厚くなってしまう。

  [check] 乾燥したらヒビが入る。

  [check] お皿が作れない。へたってしまう。

  [check] 同じ形のものを複数作れない。

          ・
          ・

もしあなたが上の項目に該当するなら、残念ながら基礎が出来ていない証拠です。

「ロクロの基礎」とは「作り」です。
「土練り→水挽き→削り」までの一連の行為です。

 ※水挽き(みずびき:柔らかい土の塊から器を作るろくろ成形のことです。削りは含みません。
  ロクロには「水挽き」と「削り」の過程があります。)


なぜ基礎が大切なのか。

もしかするとあなたはこう思っているのではないでしょうか?

私は自分が作りたいものを自由に作りたいだけなんです!」と。

確かに教室によっては初めから、

「何でも好きな物を作っていいよ♪」

というところもあるようですね。

遊びの方はそれが楽しいし、それでいいと思います。
でも技術を上げたいという方には物足りないでしょう。

ピアノを習う時に、初めから「好きに弾いていいよ♪」って先生に言われても弾けないでしょう?
そんな方は先生失格でしょう。

でも陶芸では良くあるようです。

基礎ができないうちはきちんと教えてもらう。
先生が言うことを学び取る。

音楽、スポーツ、茶道、・・・色々な趣味では当たり前なことが
陶芸では必ずしも普通ではないようです。

「好きにしていいよ。」と言うのは、「技術を教えるつもりは無いよ。」と
言っていることと同じです。

腕を上げたい方はきちんとカリキュラムを組んで指導してくれる先生がいいと思います。


それに・・・

あなたは本当に作りたいものを作れるのですか?


作りたい形、大きさのものを自由に作れるのですか?

基礎をマスター出来ていない状態で?

ピアノの基礎を習わずに「好きな曲を弾きたいだけ」っと言っても
いきなりでは“ドレミの歌”も弾けないでしょ?

それがいかに無謀で的外れな言動か分かるでしょう。

ロクロは自己流や適当に教わって出来るようになるほど簡単なものではないです。
それなら職人は要らないですよ。

上級者に教えてもらうと簡単だけど、自分一人では難しい。
そうしたことは世の中に多いと思います。


もしあなたが本当に好きな物を作りたいと思うのであれば、基礎を大切にしてください。

基礎をしっかりと身につけた方が、
かえって自由に何でも作れるようになります。


自由過ぎるのは、長い目で見ると逆に不自由なんです。

遠回りな様で一番の近道です。

なぜ「作り」だけなのか?

あなたにはこうした思いもあるのではないでしょうか?

「色々な変わったデザインの作品を作ってみたい。」
「色々な釉薬を試してみたい。」
「焼成にもこだわりたい。」

でもその前に待ってください。


その装飾が生かせる器は作れるのですか?


そう言わせてください。


その底の分厚い器に、高価な釉薬を掛けるんですか?

その窯の中で爆発するかもしれない器を緋襷き(ひだすき)にするんですか?
 ※緋襷き(焼成時に器にワラを巻いてその化学変化を楽しむ装飾方法)


まずは「作り」。

これがきちんと出来ない内は、「装飾(デザイン、釉薬、焼成など)」は
一旦お休みしても構わないと思います。

作りが出来るようになってこそ装飾も生きてくるのです。

装飾は応用です。だから好きにすればいいんです。
こうでないといけないということは少ないですから。

デザインや色、絵付けにこだわる前に学ぶことはいっぱいあります。
だからあえてこの講座には装飾については入れてありません。

やがて作りが上手くなると装飾が想像以上に生かせる様になります。
だからしばらくはお預けにしておいてください。

作りが料理法、装飾は味付け、そんな関係ですから。

森裕紀とロクロ

言うまでもなく、陶芸の世界は、色々な分野、表現方法、手法があります。

ロクロを使わない方法もありますし、作る作品も多岐に渡っています。

こうした装飾の部分について、私にはまだまだ経験が少ないですので
大きいことを言うつもりはございません。

陶芸家にはみんな得手、不得手があります。


ですが、


電動ロクロについては…私は、ものすごく自信があります。


日本でも相当のレベルに行っているだろう・・・と自負しています。

はい、非難ゴーゴーですね。^^

昔ながらの業界ですので。


なぜそういうかと言いますと、次に述べますが、
電動ロクロは陶歴、経験などが比較的関係ないからです。

むしろそこそこ若い方の方が上手かったりします。


あと、たとえ陶芸家本人の技術が高くても、「見て学べ」では習得できません。

職人の多くは口下手で、説明が下手です。
技術があってもきちんと教えることができない先生からは学べないですよね。

でも私は教えるのも得意なんですよ。

(口から生まれたと言われるぐらい口が達者なもので。^^;)

TVチャンピオンで陶歴42年の伝統工芸士に勝てた理由

TVチャンピオンの決勝の作品、お膳セットで勝てたのは運です。(右下写真作品)
これは好みの問題なのでどちらが勝っていてもおかしくはありません。

ですが、その前のロクロの3競技(ロクロタワー、大皿、大壺)で
全勝したのにはちゃんと理由があります。

TVチャンピオン 決勝戦の作品

聞いてしまえばなんだと思うでしょう。

それは私が若くて陶歴が浅く
基本に忠実にしたからです。

忠実というより基本の一つ一つの作業を
ものすごく徹底してやる。


それだけです。

私は普段の作品も普通の陶芸家の2倍ぐらいの時間を使ってロクロを挽きます。
(数を作らないといけない職人としては失格なのですが・・・^^;)

土練り一つでもやり方で作品にかなり影響しますので。

準優勝された伝統工芸士の方は、蹴ロクロ(けろくろ:足で蹴って回すロクロ)とか、
練り込み(ねりこみ:色の違う土を合わせて模様にする装飾方法)とか、
色々と他のことをされている様でしたから、
電動ロクロの勘が鈍っていたということもあるとは思います。

でも私はほとんど毎日電動ロクロの前に座っています。

そして、土と対話しています。

あ、これ以上広げると壊れるな、とか。
もうちょい薄く出来るな、とか。

こうした感覚は基礎を習得した後で時間を掛けて体で覚えるしか出来ない部分です。

いかに土の気持ちを分かってあげるか。」なんです。

基礎を徹底すると何が違うか。


「芯出し!?」

一つ例を挙げますが、よく本を開けると、ロクロに土を据えてから、
土殺しのところで「芯出しをする」と書いてあります。
「中心出し」とか「センター出し」と書いていたりもします。

これは大きな間違いです。

必要の無い工程です。


あなたは土殺しをどれくらいやっていますか?
ロクロに土を据えてからする上げ下げのことです。

本を見れば、「2,3回」とか「数回」とか書いてありますね。

この程度では良い作品は作れません。

私は最低5分
棒挽きの場合で5~10分、一個挽きの場合は15分程度。
 ※棒挽き(ロクロ上のひと固まりの土から複数の器を作る方法)

ひたすら土殺しをしています。

するとどうなるか。


自然に芯が出るんです。


え、どういうことかって?


土をしっかりと作れば自然に芯が出てくるのです。


芯が出ないのはまだ土が出来ていない。単にそれが原因です。


芯は出すもんじゃない。出るもんだ。


というのが私の信念です。

だから、芯出しなどはその前の段階の土練り(荒練り、菊練り)や
土殺しがきちんと出来ていれば必要のない作業なのです。


ちなみに土殺しは何のためにするのか理解していますか?

土殺しをする目的は、

 1. 土質を均一にする
 2. 土中の空気を抜く
 3. 土を締める

この3つの役割があります。


土を締(し)める」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?

土を締めるというのは、土に含まれる水分を減らして硬くしてやることです。

例えて言えば、水を含んだ雑巾をしぼって硬くする感じです。


土に水分がたくさん含まれた状態で作品を作ってしまうと、
ゆがみ、ひずみといった変形する原因になります。

というのは、水分は時間が経ちますと当然乾燥して無くなります。

土に含まれる水分が多いということは、
水挽き直後と乾燥後の変化の差が大きくなるということ
だからです。

そのため土に含まれる水分を少なくして形作ってやることが大切になってきます。



・・・この上記3つの土殺しの役割にはどれも土を作るという目的があるのです。

それが達成されないとする意味がありません。

本の中には「土殺し=中心出し」みたいに書いているものもありますが、

中心を作るためではありません。

それでは本末転倒です。目的が違います。

(私は、単に中心を出すだけなら一回の上げ下げで出せますよ。)



このように、陶芸は、一つ一つの基本をきちんとしていけば
次の段階がスムーズに出来るようになります。


 「○○ができない。」
 「△△が難しい。」

という場合はその前の段階に戻ってみてください。


ロクロ成形が難しい場合に、実は土が出来ていないということは良くあります。


陶芸はコツの塊のようなものだから、
これさえできれば劇的に上手くなる!というのは少ないのですが
一段一段上がっていくと無理なく上達していくことができます。


逆に言えば、一見わかりにくいちょっとした違い、
例えば、指の使い方、力の入れ方、・・・
そういったことが後々大きな差になっていきます。



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